古代オリンピックが終わりを告げた1500年後、近代オリンピックが産声をあげました。現代まで持続している五輪の輪をシンボルマークにして、古代の時とはまた違った近代の幕開け!初回の開催地は何処だったのでしょうか?

近代オリンピックの第1回開催地は、すでにご存知の方も多いかと思いますが、ギリシャのアテネです。近代オリンピックの故郷とも呼ばれています。

第1回オリンピックのアテネが開催されたのは、1896年4月6日~15日です。何と季節が春のいい時期に行われていたんですね!

第1回アテネに開催されるまでにはエピソードがありました。この時代のギリシャは、様々な難問題を抱えており、一時はアテネで開催されることが難しい状況まで陥りました。

ですが国際オリンピック委員会を担当したギリシャ人たちのお蔭で努力が実って、アテネで開催されることが正式に決定したのです。

オリンピックの開催地を決めるのも、色々大変だったことが伺えます。

さて、第1回アテネ大会に参加した選手たちは、何と!男子のみに限られていました。当時の大会でも、女子参加は出来ないと厳しい禁止令がありました。

大昔は何でも男子優勢で、女子は不利だったんですね。現代ですと完全に性別差別に当たります。

行われた競技は第1回から、陸上、水泳、体操、レスリングは取り入れられていました。参加選手は男子のみ約300人でした。アメリカやヨーロッパ先進国など約15か国が参加、近代オリンピックの本格的なスタートを切りました。

開催は10日間でしたが、第1回のアテネ大会から当時参加した選手の活躍は素晴らしいものがありました。特に陸上競技ではアメリカ人の活躍が目立ち、優勝者が多く出ました。

陸上競技に関しては、アメリカはまさに強い力を発揮し、今後のオリンピックでも新しい記録や歴史を残していきました。

当時オリンピック会場には、多くの見物客が押しかけました。まさにスポーツの祭典として、第1回から人気が高まったことが伺えます。

ですが開催地がギリシャとあって、アメリカの陸上競技の強さに圧倒されたのか、なかなかギリシャ人の優勝者は出ませんでした。

陸上競技の目玉は何といってもマラソンです。地元ギリシャ人からなかなか優勝者が出ないので、見物客は「もうギリシャ人からの優勝が出るのは無理かもしれない。」と落胆し始めていました。

マラソン大会の選手の殆どは、地元ギリシャ・アテネでもあるので半分以上がギリシャ人でした。そこで何としてでもアメリカ人の強さを抑えべく、ギリシャ人の根性を発揮、マラソンの最終距離でギリシャ選手がスピードを出してトップに躍り出て、優勝を勝ち取ったのです。

どんなスポーツでも、勝ちがあれば必ず負けがあります。これは誰もが知ってる当たり前のことですが、第1回のアテネ大会をスタートに、近代オリンピックの歴史に多くの感動や記録が残っていくこととなり、素晴らしいものを世界中に伝えて行ける運びとなっていくのです。