夏季大会の見ものは何といっても、水泳競技です。夏の暑い時期に、テレビで水泳競技を見るのは何とも涼しさを感じるようで、実にいいものです。

水泳はクロール、平泳ぎ、背泳ぎ、バタフライなど色々あります。やはりクロールが水泳の中心種目でしょうか、水泳教室なんかでも初心者はまずクロールを学びます。

日本人選手も水泳競技では多くの選手が活躍をし、メダルを獲得しています。ところで、歴史を刻んできたこの水泳競技ですが、最年少で金メダルに輝いた選手、一体誰なのか皆さん、ご存知でしょうか?

男性では1932年(昭和7年)ロサンゼルス大会に出場した北村久寿雄さん、そして女性では1992年(平成4年)バルセロナ大会に出場した岩崎恭子さんです。岩崎さんについては記憶にある方も大勢いらっしゃると思います。

お二人とも、14歳・中学生にして金メダルを獲得した最年少選手でした。

ではまず歴代最年少男子の北村久寿雄さんからご紹介しましょう。北村久寿雄さんは、1917年10月9日、高知県で生まれました。

幼い頃から水泳を学び、何と坂本龍馬が泳いだ川で練習をしていました。昔はプールで泳ぐことが出来ませんでしたから、川で水泳の練習をすることは珍しくはありませんでした。

その練習の甲斐あって、1932年ロサンゼルス大会に北村さんは水泳競技に出場し、1500メートルの自由型で今までの記録を更新、わずか14歳にして優勝し、金メダルに輝きました。

日本人男子選手として、歴代最年少の金メダリストに北村さんの名前が挙がりました。その後北村さんは、高校へ進学して、水泳の世界から姿を消しました。

しかし1936年(昭和11年)北村さんの生まれ故郷高知県では、北村さんのオリンピック金メダル受賞を記念して、県内初のプールが建設されました。例え水泳競技を辞めても、北村さんは水泳指導をされたり、色んな水泳大会の監督や理事などをされて活躍されていました。

そして1996年(平成8年)6月、享年78才でお亡くなりになりました。

ここからは歴代最年少女子で金メダリストの岩崎恭子さんをご紹介しましょう。岩崎恭子さんは、1978年(昭和53年)7月21日静岡県で生まれました。水泳を始めたきっかけは、姉であり、いつも姉を目標として岩崎さんは日々練習に励んでいました。

1992年バルセロナ大会で、まだ中学生だった岩崎さんは無名のオリンピック選手として、出場しました。水泳競技ではすでに有力な日本人選手の名前が挙がっていて、岩崎さんの名前は挙がることはありませんでした。

ですが平泳ぎ200メートルで、岩崎さんは見事に優勝を果たし、金メダルを取りました。女性の金メダル獲得は、「前畑ガンバレ!」で有名になった前畑秀子さんに続く2人目でした。

でも岩崎さんの平泳ぎの中継の時も、実況アナウンサーの興奮ぶりが忘れられません。「よし!いけいけ!」と応援に力が入り、岩崎さんが優勝した時にアナウンサーは「やった~!!」と歓喜の声をあげていました。

中学生の14歳の普通の女の子が、オリンピックの晴れの舞台で金メダルを取ったことで、岩崎さんはうなぎ登りの様に一躍有名になりました。

そして競技後のインタビューで、岩崎さんは感激のあまりに「今までの中で一番幸せです。」と答えていました。

現在は水泳インストラクターとして、活躍中で結婚もされて「斉藤」性になりました。長女を設けますが、子育て中にも関わらず水泳指導者として頑張っています。

北村さんと岩崎さん、共に14歳の最年少金メダル獲得は、これからも歴史の1ページとして刻まれ続けていくことでしょう。